当院では、アトピーによる皮膚の不調を考えるうえで、皮膚の状態だけでなく、生活習慣、睡眠、ストレス、腸内環境との関係にも注目しています。

その中で近年、研究が進んでいるものの一つが「ロイテリ菌」です。

このページでは、ロイテリ菌とストレス、不安感、腸脳相関との関係について、現在報告されている研究内容をもとにわかりやすく紹介します。

なお、本ページは研究段階の知見を紹介するものであり、特定の症状の改善や効果を保証するものではありません。

■アトピーとストレスの関係

アトピーの方にとって、ストレスは無視できない要素の一つです。

ストレスが強い時期にかゆみが気になりやすくなったり、睡眠の質が低下したり、皮膚の状態が不安定になったりすることがあります。

また、かゆみや見た目の不安がストレスになり、そのストレスがさらに体の緊張や睡眠不足につながることもあります。

このように、皮膚の不調とストレスは互いに影響し合うことがあります。

■腸内環境とメンタル面の関係

近年、腸内環境と脳機能の関係が注目されています。

腸内細菌は、神経伝達物質、免疫反応、炎症、代謝物などを通じて、脳や自律神経に影響する可能性が研究されています。

この腸と脳のつながりは「腸脳相関」と呼ばれています。

強いストレスを感じたときにお腹の調子が悪くなったり、胃腸の不調が続くと気分が不安定になりやすかったりすることがあります。

そのため、アトピーを考えるうえでも、皮膚、腸、脳、自律神経のつながりを見ていくことが大切です。

■ロイテリ菌とストレス・不安感に関する研究

2025年に Gut Pathogens に掲載された研究では、ロイテリ菌 DSM 17938 が、LPSによって誘導されたマウスのうつ様行動や不安様行動に影響する可能性が報告されています。

この研究では、腸内細菌叢の変化に加えて、海馬や前頭前皮質といった脳の領域における代謝機能の変化も検討されています。

ただし、これはマウスを対象とした研究であり、人のストレス、不安感、気分の落ち込みにそのまま当てはめられるものではありません。

そのため、ロイテリ菌でメンタルの不調が改善すると断定することはできません。

■当院の考え方

当院では、アトピーによる皮膚の不調を考える際に、

・皮膚の状態
・睡眠
・ストレス
・腸内環境
・栄養バランス
・自律神経
・体の緊張状態

を総合的に確認しています。

ストレスが強い状態が続くと、体が常に緊張しやすくなり、睡眠や胃腸の働きにも影響することがあります。

当院では、皮膚だけではなく、心身の緊張や生活習慣も含めて見直し、体全体のバランスを整えることを大切にしています。

■注意事項

本ページは、ロイテリ菌とストレス、不安感、腸脳相関に関する研究報告を一般向けに紹介したものです。

アトピー性皮膚炎、うつ病、不安障害などの診断や治療を目的としたものではありません。

気分の落ち込みが強い場合、不安が長く続く場合、日常生活に支障がある場合は、医療機関にご相談ください。

■関連ページ

ロイテリ菌とは?アトピーと腸内環境・免疫の関係
ロイテリ菌とアトピー性皮膚炎の関係
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ロイテリ菌とアレルギー体質・花粉症の関係

参考文献

Mo X, Guo S, He D, et al. Lactobacillus reuteri DSM 17938 ameliorates LPS-induced depression-like and anxiety-like behaviors by modulating gut microbiota and brain metabolic function. Gut Pathogens. 2025;17:65. doi:10.1186/s13099-025-00739-8 PMID: 40841920
PubMedで論文情報を見る
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40841920/