当院では、アトピーによる皮膚の不調を考えるうえで、皮膚の状態だけでなく、生活習慣、睡眠、ストレス、腸内環境との関係にも注目しています。

その中で近年、研究が進んでいるものの一つが「ロイテリ菌」です。

このページでは、ロイテリ菌と睡眠の関係について、腸脳相関やGABAに関する研究報告をもとにわかりやすく紹介します。

なお、本ページは研究段階の知見を紹介するものであり、特定の症状の改善や効果を保証するものではありません。

■アトピーと睡眠の関係

アトピーの方にとって、睡眠はとても大切なテーマです。

かゆみで眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めたりすると、疲労が抜けにくくなります。

また、睡眠不足が続くと、自律神経や免疫バランスにも影響し、皮膚の回復にも関係する可能性があります。

そのため、アトピーを考えるうえでは、皮膚のケアだけでなく、睡眠の質を整えることも大切です。

■睡眠と腸内環境

睡眠の質は、生活習慣やストレスだけでなく、腸内環境とも関係している可能性が研究されています。

腸と脳は、神経、ホルモン、免疫、腸内細菌を通じて互いに影響し合っていると考えられています。

この仕組みは「腸脳相関」と呼ばれています。

ストレスでお腹の調子が悪くなったり、睡眠不足が続くと胃腸の働きが乱れたりすることがあります。

このように、睡眠、腸内環境、自律神経は互いに関係している可能性があります。

■ロイテリ菌と睡眠に関する研究

2025年の研究では、ロイテリ菌 E9 株が、GABAなどの抑制性神経伝達物質に影響し、睡眠に関わる受容体の発現にも関与する可能性が報告されています。

GABAは、リラックスや鎮静に関わる神経伝達物質として知られています。

また、別の研究では、ロイテリ菌を含むプロバイオティクス複合体について、ストレスを感じている学生を対象に、ストレス関連指標や睡眠の質との関係が検討されています。

ただし、これらはロイテリ菌単体の効果を断定するものではなく、菌株や研究条件によって結果が異なる可能性があります。

■当院の考え方

当院では、アトピーの方の睡眠について、

・夜間のかゆみ
・睡眠の質
・自律神経
・腸内環境
・食生活
・ストレス
・体の緊張状態

といった視点から確認しています。

眠りが浅い状態が続くと、体が回復しにくくなり、皮膚にも負担がかかりやすくなります。

当院では、皮膚だけでなく、眠りやすい体の状態、胃腸の状態、日中の緊張状態なども含めて、体全体のバランスを整えることを大切にしています。

■注意事項

本ページは、ロイテリ菌と睡眠に関する研究報告を一般向けに紹介したものです。

不眠症やアトピー性皮膚炎の診断、治療を目的としたものではありません。

睡眠の不調が長く続く場合や、かゆみで眠れない状態が続く場合は、医療機関にご相談ください。

■関連ページ

ロイテリ菌とは?アトピーと腸内環境・免疫の関係
ロイテリ菌とアトピー性皮膚炎の関係
ロイテリ菌とストレス・不安感の関係

参考文献

Jiang Y, et al. Lactobacillus reuteri E9 Regulates Sleep Disorders Through Its Metabolite GABA. Frontiers in Bioscience Landmark Edition. 2025;30(6):39587. doi:10.31083/FBL39587 PMID: 40613302
PubMedで論文情報を見る
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40613302/

Nobile V, Giardina S, Puoci F, et al. The Effect of a Probiotic Complex on the Gut-Brain Axis: A Translational Study. Neuropsychobiology. 2022;81(2):116-126. doi:10.1159/000518385 PMID: 34515196
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Yang M, et al. The Microbiota-Gut-Brain Axis in Insomnia: Mechanisms and Intervention Strategies. Life. 2026;16(4):583. doi:10.3390/life16040583 PMID: 42073392
PubMedで論文情報を見る
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42073392/