当院では、アトピーによる皮膚の不調を考えるうえで、皮膚の状態だけでなく、生活習慣、睡眠、ストレス、腸内環境との関係にも注目しています。

その中で近年、研究が進んでいるものの一つが「ロイテリ菌」です。

このページでは、ロイテリ菌とアトピー性皮膚炎に関する研究報告をもとに、腸内環境・免疫・皮膚バリアとの関わりをわかりやすく紹介します。

なお、本ページは研究段階の知見を紹介するものであり、アトピー性皮膚炎の診断・治療、または特定の症状の改善を保証するものではありません。

■アトピー性皮膚炎と免疫・皮膚バリア

アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥、かゆみ、炎症、バリア機能の低下、免疫反応などが複雑に関係する皮膚の不調です。

皮膚表面だけでなく、体の内側の状態や生活習慣も影響する可能性があります。

近年では、腸内環境と免疫、さらに皮膚の炎症反応との関係も研究されています。

腸内環境が乱れることで、免疫バランスや炎症反応に影響する可能性があるため、アトピーを考えるうえでも腸内環境は注目されるテーマの一つです。

■ロイテリ菌とアトピー性皮膚炎に関する研究

2025年に International Journal of Biological Macromolecules に掲載された研究では、ロイテリ菌 CCFM1040 に由来する細胞外小胞が、アトピー性皮膚炎モデルにおける炎症反応や皮膚バリア機能に関わる可能性が報告されています。

この研究では、ロイテリ菌そのものだけでなく、ロイテリ菌が作り出す成分に注目している点が特徴です。

特に、STAT3という免疫や炎症に関わる経路を介して、皮膚の炎症反応や皮膚バリアに影響を与える可能性が示唆されています。

ただし、この研究は動物モデルや細胞実験を含む研究であり、人に対して同じような結果が出ると断定できるものではありません。

■この研究から考えられること

この研究から、ロイテリ菌は腸内環境だけでなく、免疫反応や皮膚の状態とも関係する可能性があると考えられます。

一方で、アトピー性皮膚炎は原因が一つではありません。

皮膚の乾燥、バリア機能、アレルギー体質、睡眠、食事、ストレス、生活環境など、さまざまな要因が関係します。

そのため、ロイテリ菌だけでアトピーを判断するのではなく、体全体のバランスの一部として考えることが大切です。

■当院の考え方

当院では、こうした研究背景も参考にしながら、

・皮膚の状態
・腸内環境
・生活習慣
・栄養バランス
・睡眠
・ストレス
・体の緊張状態

に着目したサポートを行っています。

アトピーの方は、かゆみや炎症だけでなく、睡眠不足、疲労感、胃腸の不調、ストレスなどが重なっていることもあります。

当院では、皮膚だけを見るのではなく、体全体の状態を確認しながら、生活習慣や栄養面も含めたアドバイスを行っています。

■注意事項

本ページは、ロイテリ菌とアトピー性皮膚炎に関する研究報告を一般向けに紹介したものです。

アトピー性皮膚炎の診断や治療を目的としたものではありません。

皮膚症状が強い場合、赤みやかゆみが悪化している場合、浸出液や強い炎症がある場合は、皮膚科などの医療機関にご相談ください。

■関連ページ

ロイテリ菌とは?アトピーと腸内環境・免疫の関係
ロイテリ菌とアレルギー体質・花粉症の関係
ロイテリ菌と睡眠の関係
ロイテリ菌とストレス・不安感の関係

参考文献

Li M, Mao B, Ren B, et al. Limosilactobacillus reuteri CCFM1040 extracellular vesicles alleviate atopic dermatitis through signal transducer and activator of transcription STAT3-dependent modulation of epithelial cytokine. International Journal of Biological Macromolecules. 2025;334(Pt 2):148671. doi:10.1016/j.ijbiomac.2025.148671 PMID: 41175997
PubMedで論文情報を見る
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41175997/