当院では、アトピーによる皮膚の不調を考えるうえで、皮膚そのものの状態だけでなく、生活習慣、睡眠、ストレス、腸内環境との関係にも注目しています。

その中で近年、研究が進んでいるものの一つが「ロイテリ菌」です。

このページでは、ロイテリ菌について現在報告されている研究内容をもとに、腸内環境・免疫・皮膚との関わりをわかりやすく紹介します。

なお、本ページは研究報告をもとにした一般的な情報提供を目的としたものであり、アトピー性皮膚炎の診断・治療、または特定の症状の改善を保証するものではありません。

■ロイテリ菌とは?

ロイテリ菌は、正式には Limosilactobacillus reuteri と呼ばれる乳酸菌の一種です。

人の腸内や口腔内などに存在することが知られており、腸内環境、免疫、炎症反応との関係について研究が進められています。

近年では、腸内細菌が皮膚や免疫の働きにも関係する可能性が注目されています。

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能、免疫反応、炎症、かゆみ、生活習慣、ストレスなど、さまざまな要因が重なって起こると考えられています。

そのため、皮膚だけを見るのではなく、体全体の状態を考えることも大切です。

■なぜアトピーと腸内環境が関係すると考えられているのか

腸は、食べ物を消化・吸収するだけの場所ではありません。

腸内には多くの免疫細胞が関わっており、腸内環境は免疫バランスと関係していると考えられています。

また、腸内環境の乱れは、炎症反応やアレルギー反応に影響する可能性も研究されています。

このような背景から、近年では「腸と皮膚の関係」や「腸内細菌とアレルギー体質の関係」が注目されています。

ロイテリ菌も、その中で研究が進められている菌の一つです。

■ロイテリ菌に関する研究で注目されている分野

ロイテリ菌については、以下のような分野との関連が研究されています。

・アトピー性皮膚炎
・アレルギー性鼻炎、花粉症
・腸内環境
・免疫バランス
・炎症反応
・睡眠の質
・ストレス、不安感
・腸脳相関

ただし、これらの研究には、動物実験や細胞実験の段階のものも含まれています。

そのため、「ロイテリ菌でアトピーが良くなる」と単純に考えるのではなく、腸内環境と皮膚、免疫の関係を理解するための参考情報として見ることが大切です。

■当院が腸内環境に注目する理由

アトピーによる皮膚の不調は、皮膚だけの問題として考えると、見落としてしまう要素があります。

たとえば、

・睡眠の質が低い
・ストレスが強い
・胃腸の調子が不安定
・食生活が乱れている
・疲れが抜けにくい
・季節の変わり目に悪化しやすい
・体が緊張しやすい

このような背景があると、皮膚の回復や免疫バランスにも影響する可能性があります。

当院では、アトピーを「皮膚だけの問題」として見るのではなく、体全体のバランス、生活習慣、睡眠、ストレス、腸内環境なども含めて考えることを大切にしています。

■関連する詳しい解説ページ

ロイテリ菌とアトピー性皮膚炎の関係
ロイテリ菌に関する研究報告をもとに、腸内環境・免疫・皮膚バリアとの関係を解説しています。

ロイテリ菌とアレルギー体質・花粉症の関係
アレルギー性鼻炎や花粉症と腸内環境、免疫バランスの関係について紹介しています。

ロイテリ菌と睡眠の関係
睡眠の質、腸脳相関、GABA、自律神経との関係について研究報告をもとに解説しています。

ロイテリ菌とストレス・不安感の関係
ストレス、腸内環境、脳機能、皮膚の不調との関係を紹介しています。

■注意事項

本ページは、ロイテリ菌に関する研究報告をもとに、腸内環境と皮膚・免疫の関係を一般向けに解説したものです。

特定の食品、サプリメント、菌株の摂取をすすめるものではありません。

また、アトピー性皮膚炎の診断、治療、改善を目的としたものでもありません。

皮膚症状が強い場合、かゆみが強い場合、炎症が広がっている場合は、皮膚科などの医療機関にご相談ください。

参考文献

Mu Q, Tavella VJ, Luo XM. Role of Lactobacillus reuteri in Human Health and Diseases. Frontiers in Microbiology. 2018;9:757. doi:10.3389/fmicb.2018.00757 PMID: 29725324
PubMedで論文情報を見る
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29725324/

Li M, Mao B, Ren B, et al. Limosilactobacillus reuteri CCFM1040 extracellular vesicles alleviate atopic dermatitis through signal transducer and activator of transcription STAT3-dependent modulation of epithelial cytokine. International Journal of Biological Macromolecules. 2025;334(Pt 2):148671. doi:10.1016/j.ijbiomac.2025.148671 PMID: 41175997
PubMedで論文情報を見る
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41175997/